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Quarto環境構築

Quartoを使えば、PythonMarkdownで科学技術文章を作成することができます。

この記事では、Quartoの環境構築方法について説明します。Windowsにて、vscodecondaコマンド(Anaconda, Miniconda環境)を使った構築方法を説明します。

通常のインストール方法は公式ページをご覧ください。

Quarto CLIのインストール

Quarto CLIをインストールします。

インストールが完了すると、quartoコマンドが使用可能になります。quarto -vでバージョンを確認すると以下の画像のようになります。

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Visual Studio Codeの拡張機能をインストール

Visual Studio Codeを起動し、左側の拡張機能を選択もしくはショートカットキーCtrl+Shift+Xを押下します。

検索欄にてquartoなどと検索し、Quarto拡張機能を探します。インストールボタンをクリックしてインストールします。

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condaコマンドを用いたQuartoの環境構築

公式ページのUsing condaを参考にしています。

まず、Quartoプロジェクトを作成するフォルダを作ります。私はC:\00_work\python\quartoというフォルダを作成し、そこで作業しました。

Anaconda Promptを立ち上げ、以下のコマンドを入力し、先ほど作成したフォルダに移動します。

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cd C:\00_work\python\quarto

下記画像のように、Winを押し、Anacondaなどと検索するとAnaconda Promptを見つけることができるでしょう。

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以下のコマンドで新規の仮想環境を作ります。

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conda create -p env python

-pオプションはあまり見かけませんが、仮想環境フォルダのパスを指定するオプションです。この場合、C:\00_work\python\quarto\envフォルダに仮想環境が作成されます。作成時のスクリーンショットは以下の通りです。

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普段、condaコマンドで仮想環境を作成する場合は-nオプションを用いてconda create -n 【環境名】 pythonのようにします。この場合、C:\Users\【ユーザ名】\Ainiconda3\envs\【環境名】に仮想環境が作成されますが、今回はQuartoで使用する都合上、ワークスペース内に仮想環境を作成しています。

仮想環境に必要なライブラリをインストール

仮想環境ができたら、アクティベートします。例えば、以下のコマンドを実行するように促されると思います。仮想環境ができた旨のメッセージの最後のほうに記載されています。

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conda activate C:\00_work\python\quarto\env

アクティベートが完了すると、Anaconda Promptの(base)となっていた部分が(env)に変わると思います。私の環境で試した画像は以下です。(見た目をカスタマイズしているため、一致するわけではないことをご承知ください。)

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続いて、公式の指示通り、必要なライブラリをインストールします。jupyter, pandas, matplotlibが必要なようです。以下のコマンドでインストールできます。

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conda install jupyter pandas matplotlib 

Anaconda Promptはいったん閉じてしまって大丈夫です。

Visual Studio Codeの設定

Visual Studio Codeを起動し、C:\00_work\python\quartoをワークスペースとします。右クリックコンテキストメニューに登録してあると、添付画像のようにvscodeを開くことができるので楽です。

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F1もしくはCtrl+Shift+Pを押下し、コマンドパレットを開きます。python interpreterなどと検索し、Python: インタープリターを選択をクリックします。

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インタープリターとして、先ほど作成した環境を選びます。この記事の通りに作成している場合、.\env\python.exeというパスになっています。

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設定できたらQuarto公式のテストを実行してみます。hello.qmdという名前の新しいファイルを作成し、リンクからコピーしたテスト用のコードを貼り付けます。

再びコマンドパレットを開き、previewなどと検索し、Quarto: Previewを選択します。

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上記画像のようにエディタの右側にQuartoのプレビューが表示されれば環境構築は完了となります。

ModuleNotFoundErrorが出る場合

Quarto: Previewした際に、ModuleNotFoundErrorが出る場合があります。一番なりやすいエラーは以下だと思います。

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ModuleNotFoundError: No module named 'nbformat'

このエラーが出た場合、エラーメッセージの終わりにある通り、activateがちゃんとできていない可能性が高いです。エラーメッセージの当該部分を引用します。

There is an unactivated Python environment in env. Did you forget to activate it?

このエラーに遭遇したら、この記事の通り設定できているか、もう一度インタープリターの設定を確認して見てください。場合によってはVisual Studio Codeの再読み込みや再起動、PC自体の再起動が必要かもしれません。

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